果実が腐るまで

大人になったフリ

苦手なことをやってみる【SMショーでM女をやった話】

何をするのか、どこへ行くのか、何を食べるのか。何かを決める際、好きなもの、得意なものを選ぶのが一般的かと思います。苦手なことは避けたい。何か提案を持ちかけられた時、少し前までの私は最初に考えすぎて、失敗するのが怖くて、興味があっても一歩踏み出せないことが多かった。

そんな私が就職の際に1番苦手とする人前で話す職業を選んだのはどう考えても自分にドMだったからでしょう。自分で決めた苦手なことを頑張ってみて、やり遂げて達成感を得ることが気持ちいいことを知りました。

 

色んな偶然が重なり、桜田伝次郎先生のSM浣腸ショーにM女として出ることになりました。伝次郎先生はSMショーを日本で初めて行ったというものすごいお方なのですが、酔っ払いの私はかなり軽い感じで話しかけてしまった記憶が残っています。初対面にも関わらずとても話しやすい方でした。そんな感じで口約束から始まった話ですが、先日無事デビューしてきました。

ショーといっても具体的な台本はなく、伝次郎先生曰く「俺と対話していればいいから」とのこと。軽い打ち合わせのみで何をされるか分からないままスタートしました。

私は緊縛や軽く叩かれたりするのは好きですがそれ以外はほぼ未経験。開始早々伝次郎先生の攻めに度肝を抜かれ早くも心が折れかけ、出演したことを既に後悔する始末。これから何をされるか分からない恐怖により、他のM女さんが鞭打たれているのに音だけで身体が反応してしまい、それを観客に見られていると思うと恥ずかしさよりも情けなさが強かったです。

普段は他人と目を合わせることが中々できない私ですが、ショー中は伝次郎先生のサングラスの奥の目ばかり追うことになりました。これは信用の証みたいなもので、目を見ていないと耐えられなかった。普段相手への信頼が少ないんだなぁ、だから目を合わせられないんだなぁと思いました。

攻められながらSMってなんなんだろうとグルグル考え強要されたことを放置プレイで耐えていたら、小さい声でエライと褒められました。ああSMの醍醐味はこれなんだなぁと思いました。芸を褒められて喜ぶ犬と同じです。四つん這いだったし笑

最終的に素が丸出しになり情けない声をあげている私の全身鳥肌に伝次郎先生は感動したらしく、ショー中に楽屋に携帯を取りに行きステージで私を撮影し出した時は思わず笑ってしまいました。先生お茶目過ぎます。

そんな感じで2時間20分のショーは幕を閉じました。体感時間1時間もなかった気がします。

 

最後にビックリしたのは思っていたよりも知り合いがたくさん来てくれたこと。頑張ったねと言われて嬉しかったです。

出演前はショーに出るのは一回限りにしようと思っていました。ですが、伝次郎先生がまたやりたいと仰ってくれ、次回出るなら見に行きたいという声をたくさん頂き、単純な私はその決意が揺らぎました。次はもっとビシバシ攻められてカッコよく受けたい。

伝次郎先生のショーはSMに詳しくないノーマルな人、むしろそういう人にこそ見てほしいショーだと思います。

 

人前で色んなものを晒してしまった今回の挑戦ですが、失ったものは何もなく得たものは大きく清々しい気持ちになりました。明日から仕事をまた頑張れそうです。

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